既製品とオーダースーツはどっちが良い?それぞれのメリット・デメリット
オーダースーツというと、こだわりがあってかっこいいイメージがある反面、格式が高くて手が出しづらいものでもあります。既製品と比べてどんな魅力があるのか、既製品でも十分なのか、どのような見方をすればいいか分かりかねますよね。今回はそんな両者の違いについてご紹介します。
既製品のメリット
それでは既製品の良い点から見ていきましょう。まず、オーダーに比べると値段が安い傾向にあります。そして、必要な時にすぐ手に入れることができます。今や、スーツの量販店は全国的に展開されています。さらには、実際に買う製品を見たり試着したりして決められるので、いざ出来上がって「イメージしていたものと違った」なんてギャップも起こり得ません。
さらに、これは知る人ぞ知るメリットですが、既製品だからこそ、よく研究されたデザインとなっているのです。着丈、肩や胸の幅など、全体のシルエットが最もきれいに出るようになっています。デザイナーが考えつくした、まさにスーツの理想形です。
こうしたバランスの取れたスーツを着ると、着ている人の体型まできれいに見せてくれます。体型のコンプレックスを隠したい人には、まさにうってつけというわけです。
既製品のデメリット
ただこのメリットが、デメリットにもなります。既に作られているスーツだと、当たり前ですがどんな人にもサイズが合うわけではありません。商品として売られているサイズ展開には、限りがあります。
では合わない箇所だけ直せばいいのでは、と思うかもしれませんが、そうすると計算されたスーツ全体のバランスを崩してしまい、既製品スーツ最大の魅力である理想形のシルエットを壊すことになってしまいます。サイズを直さなければ自分の身体にフィットせず、サイズを合わせればきれいなスーツの形から離れてしまうという、まさにジレンマです。
このデメリットをカバーしたい場合は、サイズのお直しは小さくとどめておくのがおすすめです。直すとしても、1サイズまでにしておきます。それ以上のお直しが必要な場合は、パターンオーダーを利用するようにしましょう。
パターンオーダーというのは、複数ある体型モデルから、自分の体型により近いものを探し、そこから仕上げるという注文方法です。サイズ直しだけだと、スーツのバランスが崩れてしまいがちですが、パターンオーダーであれば、全体バランスを考えた調整が行われています。
どうしても着たい既製品があって、それでも大きくサイズを直さなければいけない時は、こうした選択肢も考えてみましょう。
オーダースーツのメリット
次は、オーダースーツについて見ていきます。オーダースーツの魅力と言えば、なんと言っても身体にピッタリのスーツを着られるということです。既製品のスーツではどうもしっくりこないという人には、うれしいですよね。サイズが合っていると着心地も良いもので、動きやすいなどの利点も出てきます。
もちろん、パーツをカスタマイズして、自分の好みを思い切り投影できるのも、オーダースーツを頼む大きな理由です。単純に生地の素材や色だけではなく、ボタンや裏地といった細部にまでこだわることができるのです。
ビジネスで着るのかプライベートで着るのか、お仕事の種類によっても適したスーツは変化していきます。自分の用途に合ったぴったりのスーツを作れるといいですよね。
オーダースーツのデメリット
実は、既製品のメリットについてすでにご説明したことが、そっくりそのままオーダースーツのデメリットになります。まず、既製品と比べて費用がかさみます。仕上がりまでに時間がかかりますし、完成品の予想がつきづらいものです。
そして、オーダースーツのメリットだった点が、デメリットにつながってしまうこともあります。例えば、オーダースーツは体型にフィットしたものを作れると述べましたが、フィットするということは、体型隠しには使えないということなのです。
注文すれば、シルエットやバランス重視でスーツを作ってもらうこともできますが、かなり高度な技術となります。そして、自分の身体に合っていないものを着るのは、疲れの原因にもなってしまいます。
あとは、カスタマイズで個性を出せるという点ですが、ちょっとしたミスチョイスで、イマイチな仕上がりになってしまうこともあります。細かく選べるからこそ、自分のイメージを実現するのは難しい作業になってくるのです。お店の人とたくさん相談しながら決めていきましょう。
イメージを伝えるために、ほかのスーツの写真などを見せるのも問題ありません。また、1回失敗したからと言って諦めてしまうのは非常にもったいないです。どの選択が微妙だったのか見極めて、2、3回は同じお店で挑戦してみるのが良いです。
既製品とオーダースーツについて、それぞれのメリット・デメリットを比べてみました。どちらも「絶対こちらがおすすめです」とは言えません。それぞれに良いところ・足りないところがあります。両者のメリットをもう一度確認して、より利点を享受できるのはどちらか、ご自分のスタイルや欲しいスーツの用途を鑑みて決めるのが良いでしょう。