目的別オーダースーツの素材選び:知っておきたい特徴
オーダースーツを作る際は、素材によってスーツの見た目や着心地、耐久性が大きく変わります。季節や用途に適した生地を選ぶことで、快適さと機能性を両立させられます。この記事では、スーツの素材としてよく使われる生地の特徴や、どのような場面に適しているのかを紹介します。自分に合ったスーツを作るための参考にしてください。
スーツの定番素材とその特徴
スーツにはさまざまな生地が使われていますが、中でも定番とされる素材があります。それぞれに特性があるので、着用する場面や好みに応じて選ぶことが大切です。
ウール
ウールは、スーツ生地として最も一般的な素材です。適度な保温性と吸湿性があり、季節を問わず快適に着られる点が特徴です。しなやかで弾力があるためシワになりにくく、長時間着用しても型崩れしにくいメリットもあります。
とくに高品質なウール生地は光沢があり、上品な印象を与えます。スーツに高級感を求めるなら、スーパー120’s以上のウールを選ぶとより滑らかな肌触りを楽しめるでしょう。
コットン
コットンも、スーツに使われることがある素材の一つです。軽やかで通気性が良く、カジュアルな印象を与えます。
フォーマルな場面には向かないことが多いですが、オフの日のジャケットやセットアップに取り入れることで、リラックスしたスタイルを演出できます。ただし、シワができやすいため、こまめにアイロンをかけるなどの手入れが必要です。
リネン
リネンは、春夏のスーツに適した素材です。繊維が太くしっかりとした手触りで、汗をかいてもすぐに乾くため、暑い季節でも快適に過ごせます。
通気性が高くナチュラルな風合いが特徴ですが、ウールやコットンと比べるとシワができやすいため、その点を考慮して選ぶ必要があります。また、リネン特有のシワを楽しむのも一つのスタイルです。
季節ごとの素材の選び方
スーツを快適に着るためには、季節ごとの素材選びが重要です。気温や湿度に合わせた生地を選ぶことで、より快適に過ごせます。
春夏
春夏に向いている素材は、通気性が良く、汗を吸収しやすいものです。代表的な素材としては、リネンやモヘアが挙げられます。
リネンは清涼感があり、汗をかいてもべたつかないため、夏にぴったりの素材です。モヘアはウールの一種ですが、繊維が硬く通気性が高いため、春夏用のスーツによく使われます。汗をかいてもまとわりつきにくく、ハリがあるのでシルエットが崩れにくい特徴があります。
秋冬
秋冬には、保温性の高い生地を選ぶことで快適に過ごせます。ツイードやフランネルは、寒い季節に適した素材です。
ツイードは厚手で丈夫な生地のため、防寒性に優れています。英国紳士の定番として知られ、クラシックな印象を与えます。
フランネルは表面が起毛しており、柔らかく暖かい着心地が魅力です。カジュアルなスーツやジャケットとしても人気があります。
トロピカルウール
オールシーズン使える生地として、ウールの中でもトロピカルウールがあります。これは軽量で通気性がありながら、適度な保温性も兼ね備えているため、一年を通して着用できるのが特徴です。
ビジネスシーンで使うなら、トロピカルウールを選ぶと、どの季節にも対応しやすくなります。
機能性を重視した素材選び
スーツの素材には、見た目だけでなく、機能性を重視して選ぶという視点もあります。着心地や耐久性、扱いやすさを考慮することで、長く愛用できるスーツを作ることができます。
シワになりにくい素材がよい
シワになりにくい素材を選ぶなら、ポリエステル混紡の生地が適しています。ポリエステルは耐久性が高く、形状を保持しやすいという特徴があります。
毎日スーツを着るビジネスマンにとって、シワになりにくいことは大きなメリットです。ただし、ポリエステル100%のスーツは通気性が悪く長時間着ると蒸れやすいので、ウールと混紡されたものを選ぶと快適に過ごせます。
動きやすいものがいい
動きやすさを求めるなら、ストレッチ素材が含まれた生地を選ぶと良いでしょう。最近では、スーツにもエラスタンやポリウレタンを混紡した生地が増えています。
これらの素材は伸縮性があります。そのため長時間座ったり、動き回ったりしてもストレスを感じにくいのが特徴です。とくに出張や移動が多い人にとって、ストレッチ素材のスーツは重宝されます。
高級感が欲しい
高級感を重視するなら、シルクやカシミア混紡の生地が適しています。シルクは光沢があり、滑らかな肌触りで、エレガントな印象を与えます。
カシミアは保温性が高く、ウールよりも柔らかいので、特別なシーンで着るスーツに向いています。ただし、これらの素材はデリケートなので、丁寧な手入れが必要です。
まとめ
オーダースーツの素材選びは、着心地や見た目を大きく左右します。ウールやコットン、リネンといった定番素材にはそれぞれ特徴があるので、季節や用途に応じて最適なものを選ぶことが大切です。春夏は通気性の良いリネンやモヘア、秋冬は保温性の高いツイードやフランネルが適しています。また、シワになりにくいポリエステル混紡や、動きやすいストレッチ素材など、機能性を考慮して選ぶことも重要です。スーツの生地を選ぶ際は、着るシーンや求める機能性を考えながら、自分に合ったものを選びましょう。オーダースーツは長く付き合う一着になるため、慎重に素材を選ぶことで快適でスタイリッシュな着こなしが実現できます。信頼できる仕立て屋と相談しながら、自分だけの一着を作ってみてはいかがでしょうか。